大手住宅メーカーの積水ハウス(大阪市北区)との土地取引で所有者になりすまして登記を変更しようとした疑いで8人が逮捕された事件で、所有者役とされる羽毛田正美(はけたまさみ)容疑者(63)が、積水ハウス側の内覧に立ち会っていなかったことが捜査関係者らへの取材でわかった。警視庁は「地面師」グループの容疑者らが周辺住民に見られて別人だと見破られるのを避けようとしていたとみている。
「地面師」強制捜査へ 積水ハウス取引で偽文書行使容疑
積水ハウスは土地取引で代金計約63億円を支払ったが、「所有者」の委任状などが虚偽だったため土地を取得できなかった。警視庁は、積水ハウスが分譲マンション購入費として容疑者側から受け取った預かり金を除く、55億5千万円をだまし取られたとみて、詐欺の疑いで捜査している。
捜査関係者らによると、同社の担当者は売買契約を結んだ後の昨年5月19日、現場の東京・五反田の廃業した老舗旅館を内覧。羽毛田容疑者が案内する予定だったが、当日は「体調不良」を理由に姿を見せず、事件の主導役の一人とされるカミンスカス操(みさお)容疑者(58)らが立ち会った。
本当の所有者の女性はこの旅館…