最高裁による分限裁判で戒告処分を受けた東京高裁の岡口基一裁判官は17日夜、東京・霞が関で記者会見し、「最高裁を信じていたが、こんないい加減な事実認定で判断をするとは思わなかった」と述べた。
岡口裁判官を最高裁が戒告処分 SNS発信での懲戒は初
岡口氏は実名でツイートをする珍しい裁判官として知られ、判例など司法関連の話題を積極的に発信してきた。その一方で、縄で縛られた上半身裸の男性の写真などの投稿や、女性が殺害された事件の裁判に関する投稿で、2度の厳重注意処分を受けていた。
分限裁判の審問手続きは9月11日に非公開で開かれ、岡口氏は「懲戒権を発動すれば『表現の自由』を侵害し、裁判官の独立を脅かす」と主張。投稿が「裁判官としての意見ではない」としたうえで、訴訟当事者の感情が傷つけられたとの直接的な証拠もないとして、「懲戒に相当する行為ではない」と述べていた。(北沢拓也)