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平成元年に記録刻み、ラストの年へ 佐野日大・麦倉監督

1989年(平成元年)に佐野日大(栃木)が夏の甲子園に初出場したときのエース、麦倉洋一氏がプロ野球阪神を経て、昨秋から母校の監督に就任して奮闘中だ。佐野日大は21日の秋季関東大会1回戦で東農大三(埼玉)を5―2で破り、8強入り。来春の選抜大会出場へ一歩前進した。


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麦倉監督は89年夏の甲子園の開幕試合、近大福山(広島)戦で夏の甲子園で平成初の本塁打を放ち、投手としても平成初勝利を挙げて話題になった。来春の選抜大会出場を果たせば、平成最後の大会にも足跡を残すことになる。


この日はエースの松倉亮太(2年)が8安打を許しながらコースを突く丁寧な投球で完投。打線は1点を追う九回、連続四球を足がかりに1死二、三塁をつくり、2番佐藤浩之(1年)が逆転適時打を放つなど一挙4得点で逆転勝ちした。


麦倉監督は89年のドラフト3位で阪神に入団し、故障で引退した94年以降はスポーツメーカーに勤務。昨年から母校の監督に就いた。今秋は栃木県内の強豪・作新学院に公式戦では13年春以来の勝利を挙げ、県1位で関東大会に出場している。


大事にしているのはチームの決まり事を明確にすることだ。「投手は低めに投げる。野手の自分の守備範囲は100%捕球する。打者はチャンスに1本打つ。それで集中してくれればチームは活発になる」と語る。チームが得点すれば一緒になって喜び、伸び伸びとした雰囲気をベンチでつくっている。


今秋のチームは、今夏の3年生中心のチームとは別に、控え選手だけで遠征試合を多くこなしてきたチームが元になっている。これが今秋の好成績の要因という。「高校生活は3年間しかないので、最後の夏は上級生にがんばってほしい思いがある。下級生は練習試合を多くして、ゲーム運びを覚えてもらいたい。下級生だけで誰がチームを引っ張るのか見極めることもできる」と話した。(坂名信行)


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