高校野球の秋季北信越地区大会は13日、1回戦8試合があり、3季連続の甲子園出場を目指す星稜(石川1位)が関根学園(新潟3位)を9―0(七回コールド)で下した。エースの奥川恭伸(2年)が先発し、4回無失点の好投をみせた。
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堂々とした投球だった。細かい駆け引きはない。奥川は外角の直球を中心に、力で押した。許した安打は単打3本。四回までに9点の援護をもらい、二塁を踏ませないまま、わずか37球でマウンドでの役目を終えた。それでも、「(出来は)5割くらい。コントロールできていない球もあるし、まだまっすぐも絶好調ではない」と言うのだから、頼もしい。
2年生エースとして臨んだ今夏の甲子園では、自己最速の150キロをマーク。9月のU18アジア選手権に出場した高校日本代表では唯一の2年生だった。この世代では屈指の右腕として注目されている。
ただ、甲子園では悔しい負けばかりを重ねた。今春の選抜では準々決勝の三重戦で同点の九回に勝ち越しを許した。夏は2回戦の済美(愛媛)戦の途中で足がつって、降板。タイブレークの末、逆転サヨナラ満塁本塁打を打たれて負けたゲームをベンチから見つめ、「自分が投げきっていれば、こんな展開にならなかったかもしれない。もっと成長して戻ってきたい」と誓った。
新チームでもエースとして、石川県大会での防御率0・88だった投手陣を引っ張る。打撃でも中軸を任され、自覚も増した。「圧倒的な力で北信越を勝ち抜きたい」と奥川。その先に、雪辱を果たすべき甲子園を見据えている。(小俣勇貴)