米格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは19日、イタリアの国債格付けを1段階引き下げ、投資適格水準として最低の「Baa3」にしたと発表した。あと1段階下がれば投機的水準で、週明けの市場でイタリア国債売りが強まるおそれがある。
ムーディーズは、イタリア政府の新年度予算案では財政再建が進まず、国内総生産(GDP)に対する政府債務の割合は今後数年間下がらないと指摘。構造改革の遅れも中期的な経済成長に悪影響を与えると判断した。格付けの見通しは「安定的」とした。(ロンドン=寺西和男)
今なお欧州苦しめる後遺症 金融危機で借金重い政府財政融資の基準は「世のため」 伊倫理銀行のビジネスモデル