生後2カ月の長女に薬物入りのミルクを飲ませて中毒死させたとして、殺人罪に問われた母親の田畑幸香被告(24)=東京都目黒区=に対する裁判員裁判が23日、東京地裁であった。検察側は「ホストクラブに遊びに行けないという身勝手な理由で実の子を殺害した」と述べ、懲役10年を求刑した。判決は31日。
「娘に薬盛ってない」 ミルク中毒死初公判、母親否認
ミルクに混入されたのは、長女の祖母が常用していた高血圧や糖尿病を治療する錠剤とみられる。検察側は論告で「被告にしか薬物をミルクに入れられなかった」と指摘し、「死後も放置し、友人と(無料通信アプリの)LINEで雑談していた」と批判した。
弁護側は最終弁論で、祖父母が過って薬を電気ポットに落とした可能性を指摘。田畑被告も「私は薬を飲ませていない」と改めて無罪を主張し、結審した。
起訴状によると、田畑被告は2016年12月29日ごろ、自宅で長女の織音(しおん)ちゃんに劇薬成分を含む薬物を飲ませて殺害したとされる。(杉浦幹治)