東京都小平市の「公立昭和病院」の委託業務の指名競争入札で業者に談合させたとして、警視庁は22日、病院を運営する「昭和病院企業団」事務局施設担当課長の山地今朝幸(やまちけさゆき)容疑者(60)=東京都東大和市=を官製談合防止法違反などの疑いで逮捕し、発表した。同企業団は小平市や小金井市など東京・多摩地区の7市で運営する公営企業で、職員は地方公務員となる。
また同庁は、落札した空調工事会社「大協設備」(東京都大田区)の役員柳一男容疑者(63)=埼玉県春日部市=と、入札に参加した「東京ビジネスサービス」多摩支店(東京都立川市)の同病院事業所総括主任の成田元治(げんじ)容疑者(45)=埼玉県富士見市=も公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕した。3人は容疑を認めているという。
捜査2課によると、山地容疑者は7月中旬~8月上旬、同病院の空調設備の保守・整備業務の委託を巡る指名競争入札を巡り、柳容疑者に予定価格の暫定価格や指名業者の情報を漏らした疑いがある。柳、成田両容疑者は8月中旬、他の指名業者と大協設備の入札価格を超える金額で入札することを決め、談合した疑いがある。8月17日の入札には4社が参加。大協設備が予定価格の99・84%の約7600万円で落札した。
同病院はホームページによると、31の診療科があり、都の災害拠点病院にも指定されている。