巨大な「豆腐」が南極海に出現――。米航空宇宙局(NASA)がツイッターに公開した「真四角すぎる氷山」の画像が話題になっている。
画像に映っているのは、表面は真っ平らで、側面はノミで切り取られたように垂直な壁になっている真っ白い氷山。上空からは台形型にみえる。
極地の氷山を航空機で長期観測しているNASAが16日に撮影した。上空から撮った動画では、様々な形の氷山が海に浮かぶ中で、人工的に切り出されたような直線的な断面を持つ氷山が映っている。大きさは不明だが、最も長い辺は1キロ以上あるとみられる。
ネット上では、SF映画「2001年宇宙の旅」で登場する黒い金属柱「モノリス」のようだという声や、「豆腐じゃないのか」「宇宙人の仕業か」「古代の神殿みたい」といったコメントが相次いでいる。
NASAは、この氷山は南極半島の巨大棚氷「ラーセンC」から分離したばかりとみられるとし、「かなり興味深い。時々まっすぐなエッジを持つ氷山を見るが、このような二つの直角の角を持つものは見たことがない」という研究者の声を紹介している。
南極観測隊のメンバーとして、何度も南極を訪れている国立極地研究所の本山秀明教授は「自然現象でたまたま四角く割れたものだと考えられる」と話す。
南極の陸地にある氷床が海へ押し出されていくと、何らかのきっかけで割れて氷山が切り出される。本山教授はこれまでにも氷床の末端付近で、まっすぐ切れた氷山の壁を目にしてきたという。(石倉徹也、杉本崇)