ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった京都大の本庶佑(たすく)特別教授(76)が23日、自民党文部科学部会と科学技術・イノベーション戦略調査会の合同会議で講演した。本庶さんは「研究費は未来への投資だ」として、基礎研究費を増やすよう要望した。
「毒まんじゅう」で研究現場に広がる疲弊、下がる研究力
講演は文部科学部会長の赤池誠章参院議員らと、各省庁の関係者を前に、約30分間行った。本庶さんは、PD―1の発見から、がん治療を大きく変えると言われるがん治療薬「免疫チェックポイント阻害剤」の製品化に至るには20年以上かかったと説明。そのうえで、米国と比較して医学研究費が少なく若手研究者の減少が止まらないなど、研究力の基盤が沈下していると訴え、「息の長い基礎研究があってパラダイムシフトが起こった。国の役目は基礎研究に集中投資していただくことだ」と強調した。(月舘彩子)