ノーベル医学生理学賞に決まった京都大特別教授の本庶佑(たすく)さん(76)が、受賞の知らせを受けたのは午後5時ごろ、教授室で論文の推敲(すいこう)をしている最中だった。
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研究室に所属する茶本健司・特定准教授によると、かかってきた電話を秘書が取り次ぐと、本庶さんは英語で「光栄です」などと応じた。
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茶本さんが「ノーベル賞ですか」と尋ねると、本庶さんは「うーん」とうなった。このうなり声は、良い実験データが得られた時の本庶さんの「くせ」だと茶本さんはいう。
本庶さんは長く働いてきた女性秘書に「今までありがとう」と、固く握手をした後、教室に足を運んで学生たちに英語で「電話があったよ」と報告。茶本さんが「ノーベル賞の電話だよ」と付け加えると教室は一気に沸き立ったという。
茶本さんは「記者会見で本人は『気にしていない』と言ったが、周りは今か、今かと待っていた。本当に感動した」と語った。