南シナ海やインド洋周辺を長期航海中の海上自衛隊の護衛艦「かが」と「いなづま」が25日、ベトナム南方沖の南シナ海で米軍の補給艦ペコスから燃料の洋上補給を受けた。記者が「かが」に乗船し取材した。2隻は未明から中国海軍のミサイル駆逐艦の追尾を受けており、中国軍艦艇の「監視下」での給油となった。
南シナ海では中国が岩礁を埋め立てるなどして軍事拠点化を進めている。日本や米国は一方的な現状変更に反発し、「航行の自由」を求め、周辺諸国とも協調を強めている。安倍晋三首相は25日から中国を訪問。26日には習近平(シーチンピン)国家主席らとの会談が予定されているが、洋上では、日米と中国との「対峙(たいじ)」が浮き彫りになった。
25日午前8時過ぎ。前方を航行するペコスの後方から2隻の護衛艦が近づき、ペコスを挟む陣形で並走を始めた。ペコスから給油ホースが海自艦の受油口に差し込まれる。2隻は時速約20キロの速度を保ちながら航行し、約2時間かけてそれぞれ数百キロリットルの給油を受けた。
この海域は、中国が南シナ海の中で自国の権利が及ぶ境界と主張する「9段線」の外の公海上。だが、この日未明から、2隻は中国海軍のリューヤンⅡ級ミサイル駆逐艦「蘭州」の追尾を受けている。給油中、蘭州は日米の艦艇と約5キロの距離まで近づいてくる場面もあった。
日米の艦艇間の給油は、自衛隊…