サウジアラビア人記者のジャマル・カショギ氏がトルコのサウジ総領事館で殺害された事件で、サウジ検察当局は「計画的な犯行だった」との見方を示した。サウジの国営通信が25日に伝えた。サウジ政府は当初、「カショギ氏はけんかの末に死亡した」と偶発性を強調したが、「計画的な殺人だった」としたトルコ政府の見解に歩み寄る形となった。
不明記者、生きたまま切断か サウジ見解と異なる可能性
サウジ政府は20日、総領事館にいた人物がカショギ氏と口論となり、けんかの末に死亡したと説明。国際社会からは「説明が不十分だ」との批判を呼んだ。一方で、トルコのエルドアン大統領は23日、「事前に計画された殺人だった」と認定し、サウジ側の見解を退けていた。サウジ側は当初の捜査結果の修正について、「共同捜査チームを組むトルコから情報がもたらされた」としている。
トランプ米政権は事件に関わったサウジ当局者ら21人に、米国への入国を禁じる対抗策を発表した。ただ、トルコも米国も事件への関与が取りざたされたムハンマド皇太子には言及していない。(イスタンブール=渡辺丘)