名古屋市が整備・運営する展示場を巡り、河村たかし市長は29日、当面は新設を見送り、名古屋港金城ふ頭の市国際展示場を拡張する方針を明らかにした。リニア中央新幹線が開業する2027年は市国際展示場で対応し、その後の新設に含みを残した。
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河村市長は「東京ビッグサイトと勝負できる大規模展示場」の建設が持論。名古屋港空見ふ頭に新展示場を建設する構想だったが、大村秀章知事の同意を得られずに断念した。
市の有識者会議は今月24日、既存の市国際展示場の拡張を提言した。河村市長は29日の会見で「おっしゃることも当然。早くやらなあかん」と述べ、提言を受け入れる考えを示した。一方、有識者会議は新展示場建設について「用地取得に時間がかかる」として断念を求めたが、河村市長は「いろんなイメージを持っとる」などと述べ、断念はしない姿勢を示した。
河村市長は新展示場の候補地について「名古屋駅の近く」としているが、具体的な場所については「そこが絶対的とは言えん」と明かさなかった。(関謙次)