米ホワイトハウスは29日、白人の男がユダヤ教礼拝所で銃を乱射して11人が死亡した事件を受け、トランプ大統領が30日にメラニア夫人とともに慰問のためペンシルベニア州ピッツバーグを訪れると発表した。
これに対し、ピッツバーグのユダヤ人団体の一部はトランプ氏への公開書簡で「あなたの言葉と政策が白人ナショナリスト運動を鼓舞してきた。暴力はあなたの影響力の直接的な結果だ」と批判し、白人ナショナリズムを糾弾するまで訪問を歓迎しないとした。
一方、トランプ氏は29日、「米国に大きな怒りが出ている。不正確で詐欺的なニュースに一因がある」とツイート。11月6日の米中間選挙を前にヘイトクライム(憎悪犯罪)が相次いでいることの責任をメディアに向けた。
トランプ氏のこれまでの過激な言動が、国民の分断や憎悪をあおったとの見方は根強い。トランプ氏は主流メディアを「国民の真の敵であるフェイク(偽)メディア」と改めて決めつけ、「あからさまな敵意を止め、ニュースを正確に公正に報じなければならない。そうすることが米国での怒りの炎を消すのに大きく貢献する」と主張した。
26日にはオバマ前大統領ら民主党有力者やメディアに爆発物を送りつけたとしてトランプ氏の熱狂的支持者が逮捕されている。(ワシントン=杉山正)