広告大手「アサツーディ・ケイ」(東京都港区、ADK)の株式公開買い付け(TOB)の未公表情報をもとにインサイダー取引をしたとして、証券取引等監視委員会は30日、土屋誠・同社元執行役員(63)を金融商品取引法違反の疑いで東京地検に告発し、発表した。地検は元執行役員を在宅起訴するとみられる。
監視委などによると、土屋元執行役員は、米投資ファンド「ベインキャピタル」によるADK株のTOB実施の公表に先立つ2017年9月下旬、他人名義で約2万6千株を約8200万円で買い付けたという。さらに、知人にも株の買い付けを勧めてTOBの情報を伝達。この知人も同月下旬、300株を約90万円で買い付けたという。
監視委は、その後の株の売却の有無については明らかにしていない。
TOBは同年10月に実施が公表され、12月に成立。ADKは今年3月に東証1部上場を廃止した。