坂本堤(つつみ)弁護士一家3人がオウム真理教幹部に殺害され、4日で29年。一家の墓がある神奈川県鎌倉市の円覚寺松嶺院(えんがくじしょうれいいん)で3日に法要があり、同僚だった弁護士ら約20人が参列した。実行犯を含む、元教団幹部13人の死刑が執行されたことについても、墓前に報告した。
法要は午前11時ごろ、小雨がぱらつくなかで行われた。参列者は堤さん(当時33)、妻都子(さとこ)さん(同29)、長男龍彦ちゃん(同1)の墓碑の前に並び、住職が読経を唱える傍ら、1人ずつ線香をあげた。
横浜法律事務所で同僚だった小島周一弁護士(62)は、「死刑執行」を伝えた一方で、「坂本はそれを大喜びするやつじゃない」とも思った。「犯罪をおかした人間でも変われると、本気で信じているのが彼だった。区切りでもなんでもなく、これからも彼の無念に思いをはせたい」と話した。
一家は1989年11月4日未明、横浜市磯子区の自宅で教団幹部6人によって殺害された。(阿部峻介)