台風などに備え、あらかじめ鉄道を止める「計画運休」について、JR東日本の深沢祐二社長は6日の定例会見で、今後は原則として前日までに実施を発表する方針を示した。ホームページや駅での放送、報道発表に加え、SNSを活用したり、外国人向けに多言語で情報を伝えたりすることも進めていくとした。
台風24号が列島を縦断した9月30日、JR東は首都圏で初となる大規模な計画運休を実施。上陸前の正午過ぎ、首都圏全線で午後8時以降の運転を取りやめると発表した。日曜日で目立った混乱はなかったが、利用客から「発表が遅い」との声が寄せられたという。
深沢社長は、今回の情報提供のあり方に「反省点がある」としたうえで、「計画運休はできるだけ前日の段階で、(実施の)可能性も含めて発表したい」と述べた。一方、前日発表を厳格にルール化することについては「天気予報が変わることもあり、状況に応じて判断したい」とした。
計画運休は、荒天時に列車が駅間で立ち往生したり突然の運休で帰宅困難者が出たりするのを防ぐのが目的。2014年から本格的に取り組んでいるJR西日本は、実施する場合、前日夕までに発表している。JR東海も台風24号の際、東海道新幹線と在来線の計画運休を前日夜に発表した。(細沢礼輝)