少女の胸を触ってPTSD(心的外傷後ストレス障害)を負わせたとして強制わいせつ致傷などの罪に問われた被告の男(36)の裁判員裁判で、大阪地裁(松田道別(ちわき)裁判長)は6日までに、被害少女の証人尋問を約3カ月延期すると決めた。検察・弁護側双方の主張や証拠を整理して始める裁判員裁判が長期間延期されるのは異例。
被告は2014年7月5日未明に大阪市淀川区のマンションの部屋に侵入し、寝ていた少女(当時13)の胸を触るなどし、PTSDを負わせたなどとして起訴された。この少女への事件については逮捕当初から一貫して否認している。
弁護人によると、10月下旬に法廷とビデオでつながった別室で少女への証人尋問を行う予定だったが、検察側はPTSDが再び悪化したとして、尋問をやめて少女の捜査段階の供述調書を証拠採用するよう求めたという。地裁は少女を診察した精神科医らの意見を踏まえ、尋問は可能と判断。来年1月下旬に尋問し、2月下旬に判決を言い渡すよう期日を変更した。裁判員の交代はないという。(大貫聡子)