管理職になりたいと思う小中学校の教員は、男性が約3割の一方、女性はその4分の1弱にとどまることが、独立行政法人・国立女性教育会館が初めて行った調査でわかった。5日、同会館が発表した。
調査は「学校教員のキャリアと生活に関する調査」。教員の働き方改革などに向け、管理職に関する意識や性別役割分担意識を明らかにする目的で、1、2月に行われた。全国の小中学校計2374校の教員2万3817人が回答した。
管理職になりたいかという質問に「ぜひなりたい」「できればなりたい」と答えた女性は7・0%で、男性は29・0%。なりたくない教員に理由を複数回答で尋ねたところ、女性は「自分にはその力量がない」(女性66・9%、男性51・5%)、「責任が重くなると、自分の家庭の育児や介護等との両立が難しい」(女性51・5%、男性34・9%)といった項目で男性より割合が高かった。
子どもが未就学から小学生の時期に家事や育児などの家庭生活の役割をどの程度担っている(担った)か、という質問に「ほとんどしている」「半分以上はしている」と回答したのは女性が79・4%に対し、男性は3・5%だった。管理職の54・8%が、育児や介護などを担う女性教員に、管理職になるための試験や研修を勧めにくいと答えた一方、同様の状況にある男性教員に対しては46・5%だった。
同会館の内海房子理事長は「働いていても家のことは女性がやる、という古くて根強い性別役割分担意識があり、教員の働き方と絡み合っている。意識を改めていくことが欠かせない」と話す。
2017年度学校基本調査によると、教員に占める女性の割合は小学校62・5%、中学校43・5%、高校33・2%。校長の女性比率は小学校19・3%、中学校6・6%、高校7・5%。(山下知子)