東京都八王子市で市立中学2年の女子生徒が今年8月に自殺を図って、9月に死亡し、学校が市教育委員会に女子生徒について「部活動でいじめがあった」と報告していたことがわかった。朝日新聞の取材に校長が説明した。市教委は第三者委員会を設置し、いじめと自殺の因果関係について調べる方針だ。
校長によると、生徒は昨年8月、家族旅行のために部活動を休んだとして、上級生から携帯電話の無料通信アプリ「LINE(ライン)」でとがめられた。昨年9月に入って生徒は学校を休みがちになった。
両親と生徒が学校にこうした経緯を説明。部の顧問は上級生に事情を聴いた。学校側は昨年10月に2人を直接会わせて話し合わせようとしたが、生徒が「謝ってもらったので大丈夫です」と言い、上級生も謝ったと認めたため、問題は解決したと判断したという。
生徒はその後も不登校が続き、今年4月に別の学校に転校したが、転校先でも学校に通えなかったという。元の学校に生徒の親から自殺したと連絡があり、学校側は「いじめがあった。重大事態と認識した」という。
校長が生徒の両親に見せられた両親あての遺書には、部活動での「トラブル」という言葉や「まわりが助けてくれなかった」「学校に行きたかった」という趣旨の文章が書かれていたという。
校長は「非常に重く受け止めている。自殺をはかった原因については、第三者委員会にきちんと調べてもらいたい」と話した。