東海道新幹線内で今年6月、乗客3人が刃物で殺傷される事件があったことを受けて国土交通省は、梱包(こんぽう)されていない刃物を列車に持ち込むことを禁止するよう、省令を改正する方針を決めた。在来線や私鉄を含むすべての列車が対象で、来年4月1日から施行する。罰則はないが、乗客が従わない場合は鉄道会社が強制的に下車させるなどの対応がとりやすくなる。
鉄道営業法に基づく省令では現在、ほかの利用者に危害を及ぼす恐れのある物の列車への持ち込みを禁止しており、爆発物などが挙げられている。改正後は、適切に梱包されていない刃物も加える。
国交省は指針も作り、ナイフ、包丁、はさみ、のこぎりなどの刃物の種類と収納方法を例示する。持ち込む際は刃先をプラスチックのケースや段ボールで覆った上で全体を新聞紙などで包み、かばんにしまっておくことなどを求める。
銃刀法は、刀剣類の所持を原則禁止。このほか刃渡り6センチ超の刃物について、業務など「正当な理由」がなければ携帯を禁止しており、罰則がある。(贄川俊)