段ボールでできた形も大きさも本物そっくりの蒸気機関車(SL)が、名古屋で初めて一般公開される。車両はSLの王者として名高いC62。来月の鉄道フェスタで現役当時の写真とともに展示される。 テツの広場 作者は段ボール工芸家として活躍する島英雄さん(69)=長崎県南島原市。5年ほど前に段ボール製のD51を作って注目を集め、今回が3作目となる。展示するC62は本物と同じ全長約22メートル、高さ約4メートル、幅約3メートル。2年半前から制作に取りかかり、今回使った段ボールの総重量はD51の約2倍、3トンにものぼる。 鉄道資料の保存活動を進めるNPO法人名古屋レール・アーカイブスによると、C62は国鉄時代で最後に製造されたSLで、1949~73年に東海道線を含む各地の幹線で特急や急行列車を牽引(けんいん)するなど活躍。旅客用では国内最大で、54年には当時世界最速の129キロを記録した。「シロクニ」の愛称で鉄道ファンから根強い人気を誇る。人気アニメ「銀河鉄道999」のモデルになったとも言われている。 接着剤と段ボール以外は使わず、当時の設計図面をもとに約3千個の部品を丹念に組み立てた。段ボールのシートを重ねて強度をもたせたほか、新たな工法で曲面づくりも試みたという。現物はJR東海の博物館「リニア・鉄道館」(名古屋市港区)でも展示されている。島さんは「外見上は忠実に再現できた。ぜひ本物と見比べてほしい」と話している。 鉄道フェスタは入場無料。11月2~11日、主催する中京テレビの本社(名古屋市中村区)で開かれる。(佐藤英彬) |
材料は段ボール3トン 3千個の部品でC62を忠実再現
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