鉄道遺産の頂点ともいわれる「鉄道記念物」に、岡山県津山市にある「旧津山扇形機関車庫と転車台」が選ばれることになった。建造されて80年余り、現役で使用されている。記念物の選定は2010年のJR北海道の蒸気機関車「しづか号」など3件以来、8年ぶり43件目で、「鉄道の日」の14日に正式指定される。
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1930年に津山駅構内に国鉄が整備した転車台は、直径約18メートルの台から放射状に線路が延び、車両を出し入れして方向転換させる施設だ。36年にできた機関車庫は鉄筋コンクリート構造で延べ約2500平方メートル。17車両分あり、D51形蒸気機関車をはじめ非電化の13車両を収容する。背面がガラス窓で覆われ、蒸気機関車と煙で暗くなる庫内に自然光を取り入れる仕組みになっている。2009年には国の近代化産業遺産にも選ばれた。
鉄道記念物は国鉄時代の1958年に始まった制度で、87年の民営化でJR各社に引き継がれた。ただ、その後の指定は西日本と北海道の計8件と低調だ。東日本や東海などでは発足後の指定はなく、両社は「現状では指定に向けた計画はない」という。
国宝や重要文化財などと違って…