(16日、サッカー国際親善試合 日本1―1ベネズエラ)
連勝した過去3試合に比べ、日本代表の勢いが通じなかった。
これまでの相手と違い、ベネズエラは前線から組織立って圧力をかけてきた。「いいチームで、親善試合でも最後まで戦ってくれる相手だった」とは途中出場のMF原口。日本は自由に球を持てず、攻撃の組み立てに苦労した。中盤で球を奪われ、速攻を浴びてピンチになった。
それでもチャンスはあった。前半20分の絶好機をMF堂安が外し、MF中島はGKとの1対1をセーブされた。中島は「決めたかったし、もちろん悔しい」。南野も含めた20代前半の2列目3人は、いずれも無得点。決めきれないうちに躍動感はしぼみ、後半にベンチに退いた。
均衡を破ったのは結局、前半39分のセットプレー。28歳のDF酒井が、出場49試合目の代表初ゴールで先取点をもぎとった。ただ、後が続かず、「押し込まれる時間が続いてしまった」(酒井)。結果、その酒井が同点につながるPKを与えてしまった。
森保監督の就任から続いた連勝は止まった。リードを許した展開は、まだ一度もない。もっと苦しい状況は、この先にいくらでもある。
勢い任せに潜む危険を見透かしていたように、主将のDF吉田が言った。「良いときはいいけど、うまくいかないと一気に調子を落とす可能性もある。高いレベルで、落差の少ない波を作るのがいいチーム」(藤木健)