日産自動車(本社・横浜市)のカルロス・ゴーン会長の逮捕から一夜明けた20日、提携先や日産の幹部からは驚きや戸惑いの声があがった。「コストカッター」として名高いゴーン会長の金銭が絡む事件とあって海外メディアの関心も高く、各国で報道された。
日産のカリスマ、司法取引で捜査のメス 異例の逮捕容疑
羽田に降り立ったゴーン容疑者を… 捜査は一気に動いた
ゴーン容疑者の捜査で司法取引 特捜部に日産社員協力か
東京地検特捜部による捜索があった横浜市西区の日産本社。20日朝、出勤してきた社員らの表情は硬く、報道陣の問いかけにほとんど答えず社屋へ入った。
周辺には、この日も報道陣が多く集まった。近くを通った50代の男性会社員はスマートフォンで社屋を撮影。「日本有数の大企業のトップが自らの報酬をごまかしていたとしたら、恥ずかしい限り」と話した。
東京・銀座にある日産のショールーム。20日午前10時すぎ、正面玄関に「当社代表取締役会長らによる重大な不正行為について」とするおわび文が掲示されたが、まもなく撤去された。「すでに公開されているプレスリリースですし、ここは車を楽しむ場所なので……」と担当者。開店直後に訪れた福岡県の男性美容師(38)は「今回逮捕されたのはトップで、日産の技術開発部門が悪いわけではない。早く信頼回復してほしい」と話した。
神戸市から訪れた会社経営の女性(60)は「かなりの年数にわたって不正が続いていたようだ。会社が大きすぎて、会長自身も監査もまひしていたのでは。日々頑張っている社員がかわいそう」と話した。
東京・兜町では、通勤途中の会社員らが株価の掲示板前に立ち止まり、日産の株価をチェックしていた。逮捕報道を受け、株価が気になったという自営業の女性(37)は「思ったよりは下がらなかったけれど、イメージは悪くなった。これからの動きをチェックしたい」と話した。男性会社員(38)は「逮捕は海外にも衝撃を与えている。こんな結果になる前に、誰かが気が付くことができなかったのだろうか」と話していた。
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