積水ハウスが土地取引で所有者を装った「地面師」グループに55億5千万円を詐取されたとされる事件で、警視庁は21日、所在不明になっていた会社役員の土井淑雄(よしお)容疑者(63)=東京都中央区晴海1丁目=を偽造有印私文書行使などの疑いで逮捕し、発表した。事件の主導役の1人とみて逮捕状を取って行方を追っていたが、同日、東京都港区内で身柄を確保した。容疑を否認しているという。一連の逮捕者は15人目。
捜査関係者によると、土井容疑者は、2016年秋に所有者の個人情報を入手して事件を計画したとされる内田マイク容疑者(65)=同容疑などで20日逮捕=から持ちかけられ、国際手配されているカミンスカス(旧姓・小山)操容疑者(58)とともに事件を主導し、詐取金の分配などに関与したとされる。
捜査2課によると、逮捕容疑は17年6月、他の容疑者らと共謀し、東京都品川区西五反田2丁目の旅館跡地の所有者になりすまして偽造の委任状などを法務局に提出し、虚偽の変更登記をしようとしたというもの。土井容疑者は今年3月、朝日新聞の取材に応じ、「カミンスカス容疑者とは15年くらいの付き合いだが、積水ハウスとの取引については知らなかった」などと関与を否定していた。