日産自動車の代表取締役会長で、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕されたカルロス・ゴーン容疑者(64)が、株価に連動する報酬を金銭で受け取れる権利について、計約40億円分を有価証券報告書に記載していなかったことが関係者への取材でわかった。東京地検特捜部も内容を慎重に調べている模様だ。
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問題の権利は、「ストック・アプリシエーション・ライト(SAR)」と呼ばれ、日産は確定金額の報酬とは別に、業績向上意欲を持たせる目的で導入している。
関係者によると、ゴーン会長は2011年3月期(10年度)以降、計約40億円分のSARを得ていた。ただ日産の有価証券報告書をみると、1億円以上の報酬があり個別開示されている役員のうち、ゴーン会長はSARの額がゼロとなっている。他の役員についてはSARについて年間1千万~数千万円台の記載があった。
関係者によると、ゴーン会長は…