日産自動車と仏自動車大手ルノーの会長を務めるカルロス・ゴーン容疑者が、逮捕前に日産とルノーの経営統合を計画していた、と英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の電子版が20日、関係者の話として報じた。日産側は計画に抵抗し、ゴーン会長と西川広人社長の間で緊張が高まっていった、としている。
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FTは、日産の取締役会と近い関係にある関係者の話として、計画は数カ月で具体化する、と日産の複数の取締役がみていた、と伝えた。
ゴーン会長が日産の業績に不満を持っていたことも西川氏との間で緊張を高める一因になった、との見方も報じた。
日産幹部は21日朝、「いろんな検討があった」と発言。その上で「連合はお互い独立性を持つべきで、統合のメリットはまだ感じられない」とも話した。
ルノーの筆頭株主である仏政府は、ゴーン会長がルノーのトップを将来退いた後、日産や三菱自動車との関係が崩れることを警戒し関係強化を求めていた。ゴーン会長は今年6月の日産の株主総会で、ルノーによる日産の完全子会社化は否定していた。(寺西和男=ロンドン、高橋克典)