日産自動車、三菱自動車、そしてフランスのルノーの会長を兼務していたカルロス・ゴーン容疑者は、東京だけでなく、ブラジル・リオデジャネイロやパリなど、世界中に自宅を持っていた。日産の執行役員らは、東京地検特捜部の聴取に、ゴーン会長が海外の子会社や孫会社の資金を「私的」に使い、各地に高級な自宅を購入させたと説明しているという。フランス国籍を持つゴーン会長のパリの自宅を訪ねた。
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セーヌ川とエッフェル塔にほど近いパリ西部。元大統領や有名サッカー選手が暮らす地区に自宅が入るマンションはあった。伝統的な石造りの6階建て。門扉は暗証番号を入力して開ける仕組みで、1階には表札はなかった。
出入りする人々に聞くと、ゴーン会長の自宅はマンションの4階だという。
家事手伝いとしてマンションで働く女性は「一つの階に1世帯だけが住む」と説明した。広さは300平方メートルはあるという。女性によると、ゴーン会長は複数の運転手を抱え、迎えに来る黒塗りの車も、ルノーや日産など、車種はいろいろだった。「3階に住む外交官はあいさつするけど、彼は決してしなかった。正直、愛想はよくなかった」と話した。
帰宅時はボディーガードが付き添った。ゴーン会長が車を降りて門をくぐっても、ボディーガードは、4階の明かりがつくのを見届けるまで外で見守っていたという。「長いこと外出するときは雨戸を閉めるけど、閉めてないから、きっとすぐ帰るつもりだったんでしょうね」
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