米国防総省は28日、米軍の艦船2隻が同日、台湾海峡を通過したと発表した。今年7月に同国防部が米艦船の台湾海峡の航行を明らかにするようになって以来、3回目。トランプ米大統領は12月1日にアルゼンチンで、中国の習近平(シーチンピン)国家主席と首脳会談を開き、貿易紛争や南シナ海問題などの懸案事項を話し合う。それを前に米側が軍事力で牽制(けんせい)した形だ。
国防総省は声明で「自由で開かれたインド太平洋への取り組みを示すものだ。米海軍は国際法が許す限り、いかなる地域でも飛行、航行、そして運用を続ける」と述べた。
一方、台湾では24日に統一地方選挙の投開票があった。米国との関係強化を進める与党・民進党が各地の首長選で敗れ、対中関係を重視する野党国民党が勝利した。選挙が終わったタイミングに合わせるように、米国側が存在感を示した格好となった。(ワシントン=土佐茂生、台北=西本秀)