環境省は30日、2017年度の温室効果ガスの排出量(速報値)は12億9400万トン(二酸化炭素〈CO2〉換算)で、前年度比1・0%減だったと発表した。太陽光など再生可能エネルギーの導入が広がり、排出は4年連続で減少となった。
環境省によると、太陽光の発電量が前年度から2割増えるなど再生エネが拡大。これに加え、関西電力の高浜原発、大飯原発(ともに福井県)の再稼働で原発の発電量が8割増え、CO2を多く排出する火力発電所の発電量が減った。その結果、排出全体の9割以上を占めるCO2は前年度から1・3%減の11億9100万トンだった。
一方で家庭部門のCO2排出は1億8800万トンと1・8%増えた。うち石油製品からの排出が7・2%増で全体を押し上げた。17年度は全国的に冬の気温が低く、暖房用の灯油からの排出が増えたという。
政府は30年度までに13年度比で、森林吸収分を含めて26%の排出削減を目指している。17年度の水準は13年度比で8・2%減。排出量は年々減少しているが、減少幅は縮小傾向にある。原田義昭環境相は同日の閣議後会見で「4年連続減少は努力してきた効果の表れだが、減少幅が緩やかになっており、更なる温暖化対策が急務だ」と述べた。(川村剛志)