高齢者の世帯は若者や中年の世帯に比べて、二酸化炭素(CO2)の排出量が多い……。環境省が28日に初めて公表した一般家庭を対象としたCO2排出量調査の結果から、こんな実態が浮かんだ。
調査は、昨年4月から今年3月にかけて、全国1万3千世帯を対象に、家族構成や月ごとの電気やガスの使用量、省エネに対する心がけなど約500項目のアンケートを実施。約9500世帯から回答を得た。
調査結果によると、世帯あたりの年間のCO2排出量は3・3トン。家族が多く、自宅が広い家庭ほど排出量は多かった。地域別では、冬場に暖房を多く利用する北海道や東北、北陸の世帯で排出量が多い傾向にあった。
一人暮らしの高齢者の世帯からの排出量は2・2トンで、若年・中年の一人暮らしより約3割多かった。夫婦でも高齢者世帯では1割多かった。環境省低炭素社会推進室は「高齢者は戸建てに住んでいる人が多く、自宅で過ごす時間も長いことなどが影響しているのではないか」と分析している。
また、省エネ意識が高い家庭ほどCO2排出量が少ない傾向も確認された。炊飯器の保温機能を極力使わない家庭はそうでない家庭よりも23%、家族が続けて入浴することを心がける家庭は心がけない家庭より7%、CO2排出量が少なかったという。(川村剛志)