神奈川県大井町の東名高速で昨年6月、一家4人が乗るワゴン車の進路を「あおり運転」で妨害して停車させ、大型トラックによる追突事故で夫婦を死なせたなどとして、危険運転致死傷罪などに問われた石橋和歩被告(26)=福岡県中間市=の裁判員裁判の第2回公判が4日、横浜地裁であった。夫婦の長女(17)の証人尋問があり、両親を亡くした状況を涙ながらに話した。
事故では萩山嘉久さん(当時45)と、友香さん(当時39)が亡くなった。死亡を知った時について検察側から問われ、長女は「二度と会えないという……感じが……もう……なんか……二度と会えないんだと思って、悲しくなりました」と言葉を詰まらせた。
検察側によると、長女は警察に対して「すごく涙が出るが、一緒に暮らす祖父母に迷惑をかけないために、泣く時は夜一人で泣く」と話していた。この日、「今もそういう気持ちですか」と聞かれ、「はい」とつぶやいた。
長女は事故当時、友香さんが運転するワゴン車の助手席に座っており、嘉久さんが被告から「殺されたいのか」「高速道路上に投げてやるぞ」などとすごまれ、胸ぐらをつかまれている様子を見ていた。
証人尋問は、法廷で直接被告とは会わず、別室から中継する「ビデオリンク方式」で行われた。(飯塚直人)