横浜市神奈川区の大口病院で高齢の入院患者4人を殺害した疑いが持たれている当時の看護師、久保木愛弓(あゆみ)容疑者(31)が神奈川県警の調べに対し、患者に消毒液を投与する方法を思いついたきっかけとして、「消毒液を過って患者に混入させて死亡させた医療過誤事件」を挙げていることが捜査関係者への取材でわかった。
精神鑑定の結果、刑事責任能力に問題はないとして、横浜地検は7日にも、3人に対する殺人罪と、投与予定の点滴に消毒液を混ぜた殺人予備罪で久保木容疑者を起訴する方針を固めた。4人目に対する殺人罪については、別の患者を殺害しようと消毒液を混ぜた点滴が結果的に投与された可能性があることなどから、不起訴とする模様だ。
久保木容疑者は、2016年9月、消毒液を混入させた点滴を事情を知らない別の看護師に投与させるなどして、男性2人(いずれも当時88)と女性(当時78)の計3人を殺害した殺人の疑いで今年7~8月に3回逮捕された。11月には、同様の方法で男性(当時89)を殺害した殺人と、点滴6本に消毒液を混ぜて殺人の準備をした殺人予備の両容疑で追送検された。
久保木容疑者はこれまでの調べに対し、「容体の悪い、亡くなりそうな患者を選んだ。自分の勤務中に亡くなると、説明しても家族が納得してくれるか不安だった」と供述し、容疑を認めているという。県警は、久保木容疑者が自分の勤務時間外に患者を死亡させようとしたとみている。