顧客の現金2千万円余りをだまし取ったとして、警視庁は、SMBC日興証券元社員の無職小川猛容疑者(59)=横浜市旭区、懲戒解雇=を電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕し、7日発表した。「間違いない」と容疑を認めているという。
捜査2課によると、小川容疑者は都内の支店の総務課長だった2012年1月上旬~13年8月上旬、顧客12人の金融商品を勝手に解約するなどし、計約2400万円を知人女性名義の口座に振り込むなどしてだまし取った疑いがある。
顧客は引っ越しなどで住所不明となり、営業職員が長期間接触していない人らで、クレームがあった際は補塡(ほてん)して発覚を免れていたという。知人女性には自らの「給与」と称して振り込んでいた。同課は小川容疑者が公訴時効が成立している分も含め、10年1月~17年8月、同様の手口で顧客約70人から計約1億3千万円を詐取し、借金返済などに充てていたとみている。
SMBC日興証券は「大変重く受け止めており、関係者に多大なご心配、ご迷惑をおかけしていることをおわび申し上げます」などとするコメントを出した。
同社をめぐっては、株式公開買い付け(TOB)をめぐるインサイダー取引に関与したとして、11月にも元社員らが大阪地検特捜部に金融商品取引法違反の疑いで逮捕されている。