仏ルノーは13日の取締役会で、カルロス・ゴーン容疑者(日産自動車前会長、64)のルノーでの会長兼CEO(最高経営責任者)職の解任を見送った。資本関係の見直しに前のめりな日産を牽制(けんせい)し、結論を先延ばしにしたい意図が透ける。日産もゴーン前会長の後任を17日の取締役会で決めることはせず、時間をかけて選出する方針に転じた。両社のせめぎ合いが続き、「ゴーン後」の両社の体制がなかなか定まらない。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
ルノー、ゴーン会長の解任再び見送り 取締役会
緊急特集「ゴーンショック 日産会長逮捕」
ルノーが会長兼CEO職の解任を見送るのは、ゴーン日産前会長の逮捕直後に開いた先月20日の取締役会に続いて2度目。会長職を解いた日産、三菱自動車との足並みは乱れたままだ。
ルノーが今月13日に出した声明では、ゴーン前会長から不正行為に関する反論の情報が得られていないことを解任見送りの理由に挙げた。この日の取締役会では2015~18年のルノーでの役員報酬に関する内部調査結果も報告されたが、現時点でゴーン前会長の法律違反は確認されなかったとの内容だったという。
ルノーが解任を再び先送りしたのは、ルノーと日産の「接着剤」の役割を果たしてきたゴーン前会長の解任により、日産への影響力が弱まることを懸念しているためだ。不正の内容をルノーの取締役に直接説明したいとの日産の申し出を拒み、弁護士を通じた情報交換に限定したのも「時間稼ぎの狙いがある」(日産幹部)との見方が出ている。
ただ、ルノーの経営陣の中には異論もあるようだ。
日産三菱・ルノー連合の関係者…