中国政府が米国内の大学と提携して設置した中国語学習の教育機関「孔子学院」の閉鎖が相次いでいる。10日にはミシガン大が来年の閉鎖を表明。今年に入り、閉鎖決定は6校目となった。米政界では「中国共産党の宣伝機関」「学問の自由が脅かされる」などと批判が強まっており、中国のソフトパワーを排除する動きが広がっている。
ミシガン大の担当者は朝日新聞の取材に対し、同大学は2019年に期限を迎える孔子学院との契約を更新しないことを明らかにした。すでに中国側には大学の方針を伝えたという。
全米学者協会(NAS)によると、米国内の孔子学院の設置は05年3月にメリーランド大を皮切りに始まり、12月現在、100の総合・単科大学に設置されている。米メディアによると、孔子学院が米国の大学で増え始めたのは景気後退の時期と重なる。中国政府が資金提供をするため、大学側にとっては自己負担を抑えて中国語授業を提供できるとして重宝されてきた経緯があるという。
しかし、14年になって風向きが変わり始める。米国大学教授協会(AAUP)は同年6月、孔子学院は中国政府の政治的主張と強く結びついているとして問題視し、「孔子学院は中国政府の一機関であり、『学問の自由』を無視している」と批判。孔子学院をめぐって大学側と中国側が交わす契約の中で、中国側が「学問の自由」を認め、契約の透明性の向上に応じなければ、孔子学院の契約を打ち切るよう求めた。
こうした流れを受け、同年から孔子学院の閉鎖を決める大学も出始め、これまでに11校が閉鎖を決定。このうち、今年に入って6校が閉鎖を決めた。
最近の孔子学院の閉鎖には、米…