川崎市の精密部品会社の独自技術が香港の会社に漏れた事件で、神奈川県警は18日、この技術を使って海外で製品を製造したとして、香港の会社の役員紺野正人容疑者(45)=不正競争防止法違反(営業秘密の領得、開示)教唆の罪で起訴=を同法違反(営業秘密の国外使用など)の疑いで追送検し、発表した。2015年の同法改正で新設された国外使用の規定を適用したのは全国初という。
生活経済課によると、紺野容疑者は16年7~8月、精密部品会社から不正に取得した光ファイバー部品の測定器の設計図をもとに、新たに測定器を製造するなどし、国内事業者の営業秘密を国外で使用した疑いがある。紺野容疑者は10月、精密部品会社の元社員渡辺富男被告(59)=同法違反(営業秘密の領得、開示)の罪で起訴=に設計図をメールで送るようそそのかしたとして逮捕されていた。(安藤仙一朗)