2014年の東京都知事選後、運動員らに報酬を支払ったとして公職選挙法違反(買収)の罪に問われた元航空幕僚長・田母神俊雄被告(70)を懲役1年10カ月執行猶予5年とした一、二審判決が確定する。最高裁第二小法廷(山本庸幸裁判長)が18日付の決定で、被告側の上告を棄却した。
一、二審判決によると、田母神被告は知事選後の14年3~5月、元陣営幹部と共謀し、選挙運動の報酬として運動員5人に計280万円、元選挙対策本部事務局長に200万円を配った。被告は共謀を否定し、無罪を主張していた。
一審・東京地裁は、支持者からの寄付を報酬として配るリストがあり、被告がリストの修正を指示していたと指摘。元陣営幹部らの証言も踏まえ、共謀の成立を認めた。二審・東京高裁も支持した。
田母神被告は朝日新聞の取材に対し「証拠がないのに推認で有罪にされ、まったく不当な判断だ。日本は民主主義国家なのかどうか疑う。今後も講演や執筆活動を続けたい」と話した。(岡本玄)