日産自動車の会長だったカルロス・ゴーン容疑者(64)が有価証券報告書に役員報酬を過少記載したとして金融商品取引法違反容疑で逮捕された事件で、東京地裁は20日、ゴーン前会長と側近の前代表取締役グレッグ・ケリー容疑者(62)について、検察側が請求した勾留の延長を却下した。東京地検特捜部が逮捕した容疑者について、地裁が検察側の勾留延長の請求を認めないのは極めて異例。前会長らの弁護人は21日にも地裁に保釈を請求する方針だ。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
緊急特集「ゴーンショック 日産会長逮捕」
特捜部は、8年分の過少記載容疑を前半の5年分と後半の3年分の2回に分けて逮捕したが、地裁は「実質的には一つの事件」と判断したとみられる。検察側は勾留延長却下を不服として準抗告したが、地裁はこれも棄却した。
関係者によると、勾留延長却下を聞いたゴーン前会長は少し安堵(あんど)しつつ、「逮捕、起訴で傷つけられた名誉を裁判で回復したい。出廷しないことはあり得ない」と語ったという。
ゴーン前会長らが最初に逮捕されたのは11月19日。2010~14年度の5年間の報酬を過少記載したとする容疑で20日間の勾留が認められ、12月10日に起訴された。特捜部は同日、15~17年度の3年間分の過少記載容疑で再逮捕。11日から20日まで10日間の勾留が認められていた。
検察側は再逮捕分の勾留期限の…