衝動を抑えられずに自分でもわからないまま、万引きを繰り返してしまう。陸上女子のマラソン日本代表だった元選手が執行猶予中に計382円のお菓子を万引きしたとして、再び窃盗罪で執行猶予つきの有罪判決を受けた。精神疾患の一種クレプトマニア(窃盗症)に悩まされていたという。判決後、病気の克服を誓った。
減量、過食…やがて万引きが始まった 元ランナーに有罪
窃盗症「克服する姿見てほしい」 有罪の元マラソン代表
自分でも、なぜ、そうしたのかわからない。
スーパーのお菓子コーナーで、キャンディー1袋、クッキー2袋を買い物かごへ。調味料コーナーに移り、その3袋を着ていたコートの中に隠し持った。
店内を歩くうちに我に返ったところで警備員に声を掛けられた。財布には2万円ほどの現金やクレジットカードが入っていた。
万引きの再犯で今月3日、前橋地裁太田支部から懲役1年保護観察付き執行猶予4年の判決を言い渡された原裕美子さん(36)=栃木県足利市。公判では、万引きを繰り返す過程が明らかにされた。
実業団に所属し、2005年の名古屋国際女子マラソンで初優勝。日本代表に選ばれた同年のヘルシンキ世界選手権では、日本人選手最高の6位に入賞したトップランナーだった。その裏で、厳しい体重制限に起因する摂食障害と、窃盗症に苦しんでいたという。
体重測定は1日4~6回。前日…