米マサチューセッツ州の地方検察官は24日、有名俳優のケビン・スペイシー被告が、18歳だった男性に対する強制わいせつや暴行などの罪で起訴されたと発表した。スペイシー被告はネットで「やっていないことへの代償は支払わない」などと語る動画を公開したものの、起訴には直接言及していない。
検察の発表によると、起訴されたのは2016年7月の事件に関してという。米メディアによると、スペイシー被告は同州の避暑地にあるレストランで当時18歳の男性に飲酒させた上でズボンに手を入れ、性器を握ったとされる。男性の母親の元アナウンサーが記者会見し、被害を訴えていた。
米国では17年、ハリウッドの大物プロデューサーの性的暴行疑惑告発を機に性被害に声を上げる#MeToo運動が高まり、スペイシー被告に対する告発も相次いでいた。スペイシー被告は告発内容を否定したが、人気ドラマ番組「ハウス・オブ・カード」の主役から降板させられた。
スペイシー被告が公開した動画はこの番組の役柄に扮したと見られ、ドラマの内容を語る体裁を取りながら「証拠もないのに言い分を信じないだろう。事実の裏付けなしに結論を出すのか。出さないだろう」などと指摘。「間もなく全ての真実を知ることになるとの確信を強めている」などと語っている。(ニューヨーク=鵜飼啓)