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年賀状、「これまでが多すぎた」 出さない派は3割強

作者:佚名  来源:本站原创   更新:2018-12-25 12:01:19  点击:  切换到繁體中文

 

2018年もあと1週間余り。年賀状づくりに追われて年末を迎えた人も多いのではないでしょうか。お年玉くじ付きの年賀状が登場したのは戦後まもない頃。郵便制度の発達とともに年始の習慣として広まりました。でも、SNSなどの普及で発行枚数は減少傾向です。「出す派」も「出さない派」も、その思いや理由はさまざまなようです。


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年賀状の起源は明確ではありませんが、郵政博物館(東京)によると、平安時代の史料には年始のあいさつを手紙で交わしていたことが記されています。明治時代に郵便制度が始まると、はがきの普及とともに一般化しました。年賀はがきの当初発行枚数は、2004年用の約44億5千万枚が最も多く、19年用は約24億枚まで落ち込んでいます。


年賀はがきで楽しみなのが、お年玉くじ。賞品の変遷をたどると、戦後日本の世相が見えてきます。


お年玉くじ付き年賀はがきが登場したのは、戦後の混乱がまだ残る1949(昭和24)年でした。考案したのは民間人です。郵政博物館などによると、大阪・心斎橋で雑貨会社を営んでいた京都在住の故林正治氏が、当時の大阪郵政局にアイデアを持ち込みました。翌年向けの年賀はがきの賞品は、特等がミシン、1等は純毛洋服地でした。当時、服は自ら仕立てるのが主流だったのです。


54年には国内で本放送が始まったばかりのテレビ、56年には電気洗濯機と、当時「三種の神器」と呼ばれた家電も賞品となりました。昭和40年代になると、ポータブルテレビ(65年)や8ミリ撮影機(69年)、ラジカセ(74年)といった娯楽関連の賞品が多くなりました。


平成に入ると生活の多様化に対応するようになり、賞品の選択制が導入されました。国内外の旅行券やBSアンテナつきのテレビ、MDプレーヤーにノートパソコンといったものに移り変わりました。


2014年には1等賞品に初めて現金1万円が加わりました。2年後には10万円、19年用は30万円です。日本郵便の広報担当者は「お客さまに喜ばれる賞品を検討した結果、現金を導入するに至りました」と説明しています。


朝日新聞デジタルのアンケートに寄せられた声の一部を紹介します。


年賀状出す派の声


●「たとえ1年に一度のつながりでも、近況報告で友人、知人と数十年やりとりが続く年賀状は、貴重な財産」(神奈川県・50代女性)


●「年賀状は日本の大切な文化。メールや電話とはまた違った文字でのあいさつは、将来的にも残るもの」(大阪府・40代男性)


●「生まれ育った土地を遠く離れて生活していて、なかなかお会いできない方との関係を感じる機会になっています」(沖縄県・50代女性)


●「単なる習慣。家族写真を撮って印刷しているが、その写真が思い出になる。自分のために送っている気がする」(東京都・50代男性)


●「年末は何かと忙しいけれど、誰かの顔を思い浮かべて新たな年のあいさつをする時間的・精神的余裕は自分の中に持ち続けていたい」(東京都・30代男性)


●「社内で出す習慣があると知り煩わしく思いながらも出していたが、社外関係者に久々に連絡して新しい仕事につながった。前向きな気持ちに出せる方には出していこうと考えている」(愛知県・20代女性)


●「日頃SNSばかりで手紙なんて書くことのない現代にこそ、年に一度くらい手紙を書きましょう」(長崎県・50代女性)


年賀状出さない派の声


●「手間とお金だけがかかるので正直もらってもうれしくはない。また、個人情報である住所を聞くということのハードルが高い」(京都府・20代女性)


●「古き良き日本の慣習ではあるものの、既に時代遅れになっている。現在の不景気の中で、一般世帯では費用も重荷となっているように思う」(東京都・40代男性)


●「身辺整理の意味も含め、昨年から送るのをやめました。年末の仕事の多忙な時期での作業が一つ減り、心理的にとても楽になりました」(京都府・40代女性)


●「まったく会うことも無い人に元気ですなんて書いて知らせる必要性を感じません。たまに会う人でもメールやブログで元気なことを知らせられます。これからはIT駆使の時代ですね」(三重県・70代男性)


●「年賀状をやめて30年以上になります。年賀状のやりとりしかない人は既に縁が無くなっている相手だと思うし、縁がある人ならば年賀状でなくても連絡できているからです」(東京都・60代男性)


●「ずっとやめたかった。年賀状だけのためにプリンターを買ったが、はがき代やトナー代などお金と時間の無駄」(東京都・50代男性)


増える「終活年賀状」


近年、増えてきているのが「終活年賀状」。年始のあいさつに続いて、「年賀状は今年限りにさせていただきます」といった辞退宣言を書き添えたものです。


葬儀サービス会社が昨年末に65歳以上の約200人を対象に行った調査では、「終活年賀状を受け取ったことがある」が57%で、「出したことがある」は6%でした。


朝日新聞のアンケートでも、出した人たちの体験談が寄せられました。理由は「高齢になったから」「しんどいから」のほか、「続いてきた年賀状がだんだんと雑なものに変わってきたから」(東京都・70代女性)との回答もありました。心理的な負担が軽くなったという感想も多くありました。


一方で、受け取った側には「新年早々、絶縁状をもらいたくない」(東京都・40代女性)などの否定的な声もあります。年賀状ではなく、暑中見舞いなどで事前に辞退宣言すべきだとの意見もありました。


終活年賀状への関心の高まりを受けて、年賀状イラストのダウンロードサイト運営会社は昨年から、終活年賀状用の文案の提供を始めました。担当者は「これからも需要は高まる」とみています。


「終活年賀状」について寄せられた意見を紹介します。


終活年賀状をめぐる賛否


●「年賀状を作る気力が衰えてきたので、昨年から付き合いの少ない知人には『年賀状を最後にする』と書き添えて送りました。心の負担が少なくなるのを実感しています」(愛知県・70代男性)


●「私の親も昨年、終活年賀状を出して今年から書かないと決めました。親から相談を受け、私が文章を考えて『今年限りで……』というような内容で出しました。やはり高齢になると書くのもおっくうになりますよね」(愛知県・50代女性)


●「年長者に辞退は言い出しづらいです。今年書く年賀状では、年下には『辞退』を書き添えようと思っています」(神奈川県・70代男性)


●「学校を卒業してから一度も会っていない人にいつまで年賀状を出し続けようか考えてしまいますが、今年も年賀状をもらったので、来年の年始のごあいさつ状も出すと思います。終活年賀状の記事を読んで『なるほど』とも思いましたが、新年早々、先方をしんみりした気分にさせるのもどうかと思ってしまいます」(広島県・40代女性)


●「終活年賀状を受け取ったことがありますが、年明け早々、気分が良いものではなかったです。事情は理解できますが、丁寧に書かれていても、どこか身勝手で一方的に感じました。終活年賀状を宣言するなら、年内のうちに届けてほしいです。そしたら、こちらからも年賀状を出さないので収まりがよいです」(大阪府・40代女性)


●「数年前から、終活年賀状を何枚か受け取りましたが、毎回結構なショックを受けました。私とは関わりを持ちたくないんだなと、見捨てられたような気持ちになってしまいました。それぞれに考えがあることはわかりますが、やはり寂しさを感じてます」(東京都・50代女性)


●「毎年やめようかと思いつつ、毎年いただいた年賀状に我が家からの年賀状を『楽しみにしている』と書いてくれる人がいるので、旦那が張り切って続けています。ただ、終活年賀状をいただいた人に出していいのか、毎年悩みます。どうなのでしょうか?」(東京都・50代女性)


年賀状、いままでは「水ぶくれ」 郵便学者・内藤陽介さん(51)


通信手段が多様化し、若い世代を中心に郵便が身近な手段ではなくなりつつあります。しかし、それでも年賀状がなくなることはないでしょう。自分からは出さなくても、何らかの形でも年賀状を受け取らないという人は少ないはずです。


年賀はがきの販売枚数は減り続けていますが、これまでが多すぎた。他に年始のあいさつの手段がなく、年賀状を出さなければ非難されるのではないか、という同調圧力を感じながら無理やり書いていた人も多いはず。義務的に出さざるを得ない状況が変わって、年賀はがきの売り上げも「水ぶくれ」が解消されようとしているのではないでしょうか。


年賀状は単なる伝達手段にとどまらず、生真面目な日本人の間に定着した文化です。文化というものは無駄の塊。儀礼的な電報がいまだに残っているのもそうですが、無駄を楽しめる余裕を持てたらいい。メールやSNSなどに慣れ親しんだ世代には、手紙を書く経験をしてもらういいきっかけになると思います。


一方で近年は個人情報保護の意識が高まり、学校では名簿や連絡網が作られず、住所がわからなくなった。インターネットが普及し、年賀状に否定的な意見も目立つようになった。でも、無駄とも思える年賀状を手間ひまかけて送りたいと思う人もいる。それは尊重すべきだし、攻撃するようなことではありません。


年賀状は元日に届かなくてもいいのです。出したければ出し続ければいいし、しんどくなったらやめたらいい。正月から神経質になって目くじらを立てる必要はないし、もっと気楽に考えて、文化の一つとして楽しんでみるのはいかがでしょうか。


◆辻健治、佐藤恵子が担当しました。



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