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死刑、遺族も分かれる賛否 駐日仏大使は継続論者と対話

作者:佚名  来源:本站原创   更新:2018-12-4 9:08:13  点击:  切换到繁體中文

 

オウム真理教の元幹部13人の死刑が執行されたこの夏、死刑についてどう考えるかをフォーラム面で取り上げたところ、多くの反響が寄せられました。被害者の遺族でも賛否が分かれ、改めてこの問いの難しさが浮かびました。究極の刑罰に、わたしたちはどう向き合うべきなのか。反響を紹介し、識者にも聞き、みなさんと考えます。


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遺族でも分かれる賛否


静岡県の女性(54)は「死刑はあるべきだ」とメールを寄せました。


47年前、県内に住んでいた伯父が自宅で殺害されました。逮捕されたのは、いとこの1人と同級生だった、帰省中の自衛隊員の少年(当時19)でした。


女性は事件後、いとこが「なぜ、わたしじゃなく、お父さんが犠牲にならないといけなかったの」と泣き叫ぶ姿をはっきりと覚えています。両親は年をとって認知症になっても、事件のことだけは鮮明に覚えていたそうです。父の死後、実家で荷物を整理していると、裁判で使われたような書類や、事件のことを伝えるスクラップが見つかりました。女性は「大事な存在を突然奪われた悲しみは長い時間、遺族を苦しませる」と話します。


少年は一審で懲役17年の判決を言い渡されましたが、その後、自ら命を絶ったと聞かされました。「伯父ができなかった人生の選択を、加害少年は実現した」という女性は、「伯父の事件も、被告に対する刑の執行があって初めて、本当に終わったと思えるのではないでしょうか」と語ります。



犯罪で娘を失った関東地方の60代女性もメールで思いを寄せました。「事件が起きたとき、娘が幼いころからの知り合いだったご近所の方が、『犯人を同じ目にあわせてやりたい』と憤ってくれたことに、ありがたいと思いながら、違和感を感じていました。娘の死を招いた犯人に対し、同じように思えない私は冷たい親なのだろうか」と悩んだことを振り返り、「でも、犯人の死刑が娘の供養になるとはどうしても思えませんでした。短い人生でしたが、娘の生き方を思うとき、彼女も死刑を望まないと確信できました」と記しました。


この女性は、紙面で紹介された「私が犯罪被害者の家族だったらと、よく考える。犯人には、事件と向き合い続け、悔いて、悔いて、苦しみながら反省してほしい」という読者の声と同感だったといいます。 女性は「犯人は生きて、自分が犯した取り返しのつかない犯罪に苦しみながら、生涯忘れず、反省し、向き合ってほしい。そして、二度とこのような犯罪が起こらないために、社会に対して何ができるのかを考えてほしい」「最後には救われてほしい。そのとき、私もこの苦しみから救われるのではないかと思っています」とつづり、こう述べました。


「『犯人を死刑に』と思う被害者の感情はわかります。でも、一つにくくらないでください。色々な思いがあります」


「人権守る」 訴え続ける ローラン・ピック駐日仏大使


オウム真理教の元メンバーに刑が執行された7月6日と26日、死刑に反対し、廃止を呼びかけるメッセージを発表しました。すると大使館に7千件超のコメントが寄せられました。過激なものもありましたが、なぜ死刑廃止を訴えているのか分かってほしいと考え、コメントに私が返事をする形で動画を作り、ユーチューブや大使館の公式ツイッターで公開しています。


たとえば「死刑を廃止したら犯罪やテロが増える」といった声はたくさんありました。でも、フランスが1981年に死刑を廃止した後、犯罪は減少傾向にあります。死刑を廃止した他の国の多くでも、犯罪率は上がっていません。死刑の存在が犯罪を抑止するという証拠はありません。


地下鉄サリン事件が日本にとって、いかに脅威だったかは十分に理解しているつもりです。フランスも、テロの標的にされた経験があるからです。それに関連し、「フランスはテロリストを射殺している」という指摘もありました。しかし、緊急事態における正当防衛と、刑事裁判の末に実行犯を死刑にして執行することは異なります。正当防衛が疑わしい場合には、警察組織内の調査も行われます。


「内政干渉だ」とも批判されましたが、そんな意図はありません。声明は私たちの意見を表明するためで、日本を批判したいわけでも、日本の国民の意識を変えたいわけでもありません。ただ、民主主義国家では、意見に違いがあっても対話をすることが大切です。


死刑の執行後、判断が間違っていたと分かれば、とりかえしはつきません。フランスは、世界中で大切にされている人権や価値観を守るため、どこの国で死刑が執行されても、同じように声明を出しています。死刑廃止に反対するコメントを寄せた方々とは今後も対話を続けていきます。


まず被害者支援・権利充実を 諸沢英道・元常磐大学長(被害者学)


私は、犯罪がない社会をめざすのと同じように、究極的には死刑がない社会をめざすべきだと思います。ただ、今の日本では廃止するための条件として欠けていることが多すぎます。


欧米では18世紀後半から、犯罪者の権利を守る動きが始まりました。1950年代後半になって「被害者はかやの外だ」と指摘されるようになり、今度は被害者の保護に力を入れるようになりました。被害者の権利が次第に充実されたため、死刑を廃止する議論をしてもあまり不満は出ませんでした。


一方、日本は現在でも被害者の保護や支援がずいぶん遅れています。例えば死刑を廃止して終身刑を導入すべきだ、という意見があります。犯罪者は税金に支えられて刑務所内で一生を過ごせるようになりますが、被害者は違います。国が犯罪被害給付金を支払う制度にはさまざまな条件があってもらえる被害者はごく一部ですし、額も限られています。税金の使い方として、バランスがとれているでしょうか。


国連の被害者人権宣言では、刑事司法手続きへのアクセスを被害者の権利として位置づけています。日本では、裁判には参加できるようになりましたが、捜査の状況について報告を受けたり、死刑執行に立ち会ったりする権利は保障されておらず、まだ不十分です。事件後のくらしのサポートも同様です。こうした被害者政策が行き届くようになって初めて、死刑を廃止すべきかどうか、冷静に議論できるようになると思います。


日ごろ接している犯罪の被害者や遺族の方々のほとんども、死刑を支持しているように感じます。死刑を認めるかどうかの分かれ道は「他人を殺した犯罪者にも生きる権利があるか」という問題に行き着きます。ヒューマニズム(人道)の観点から議論すべきです。どういう社会、どのような制度をめざすかは、国民一人ひとりが決めることです。


無期懲役は甘い・廃止なら終身刑作れ


●「迷いなく死刑は存続すべきだと思う。大切な、かけがえのない『人の命』を理不尽に、また残虐に奪った者は『死』をもって償うしか道はないと思う。情状酌量の余地のない非道な殺人に対して、『無期懲役』などあまりに甘い。世界的に見て、死刑を廃止の方向で行くべきだという人もいるが、きれいごととしか思えない」(神奈川県 赤嶺進一さん 69)


●「医療刑務所という特殊な施設に30年間、看護師として勤務しました。たとえ死刑囚でも、その時が来るまでは、健康状態が悪ければ治療を行います。就職したてのころ、女性死刑囚の治療のために房内に入ると、床に両手をついて『こんな私によくしていただき、申し訳ありません』と言われ、『誰の命も大切なのよ』と言うのがやっとでした。死刑とは国が行う殺人です。世界的に見ても死刑制度を持たない国が増えている現代、文化国家である日本もこの制度をなくすべきだと思います」(東京都 福西かつ子さん 80)


●「死刑は存続すべきだと思う。何の罪もない人の命を犯罪によって奪った犯人が、人間にとって最も尊く、かけがえのない大切な命を、天寿をまっとうするまで与えられるなんて不平等だ。食事と宿を生涯、国民の税金で与えられるなんて許されない。性善説を支持する人は、悪人も立ち直ると思うだろうが、立ち直らない人もいる。立ち直ったところで、罪のない、殺された被害者の尊い命は決して生き返りはしない」(富山県 60代女性)


●「以前から被害者が1人ならば、判決が懲役7~10年になることが不満だった。私は原則、1人の殺害で死刑が当然だと考える。ただ冤罪(えんざい)の恐れや、自己防衛のためにやむにやまれぬ場合もあると思うので、死刑を廃止するなら終身刑も作るべきだ。他国が死刑を廃止しているからという理由だけで廃止するなら、終身刑もセットで作るべきだ。米国のように罪を加算して100年以上の懲役を科す事例も参考にしてほしい」(神奈川県 男性 81)


●「私は死刑制度に対しての信念を持つことができずにいます。それは、私には制度についての知識や教養がなく、日本ではそのことを議論する機会が少なすぎるからだと考えています。本当に制度は正しいのか、必要悪なのか、よくわかりません。また、実際に制度によって治安が良くなっているのか、長期的視野において人々を幸福にするのか、判断できません。私はこれから勉強を重ね続けて、日本国民、世界中の人々が幸せで自由であるために、正義が尊重されるために、自分にできることがあるのかを知りたいです」(埼玉県 女性 50)



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