大阪都構想の是非を問う住民投票の実施について、大阪維新の会と公明党大阪府本部が水面下で交わした合意文書の内容がわかった。昨年4月付で「今任期中で住民投票を実施すること」と明記。維新代表の松井一郎・大阪府知事が26日に公表する見通しだ。
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関係者によると、文書は昨年4月17日付で、ともに府議である維新幹事長と公明府本部幹事長が署名。1項で、府と大阪市で都構想の具体案を作成する法定協議会を設置することに合意。2項で、慎重な議論を前提としたうえで「任期中」に住民投票を実施することが明記されている。
住民投票を実施するためには、府と大阪市議会での議決が必要。維新は過半数に足りず、公明の協力が不可欠だ。松井氏は現在、来春の統一地方選前に都構想案をまとめ、来夏の参院選と同日の実施を目指しているが、公明は否定的な立場だ。
松井氏と吉村洋文・大阪市長は、公明の協力が得られない場合は任期途中で辞職し、出直し選に臨む意向を公明側に伝達。さらに、松井氏は過去の水面下の協議内容を明らかにする考えも表明し、維新幹部は文書の存在を指摘していた。
文書について、維新側は署名を根拠に来春の府議の任期満了までに実施を決めることを約束したと解釈。公明側は「議員の任期中とは書いていない」(府本部幹部)として、来冬の知事、市長の任期内との立場だ。両党の考えには隔たりがあり、26日に松井氏が文書を公表しても歩み寄れるかは不透明だ。