原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場をめぐり、鹿児島県南大隅町の森田俊彦町長(59)側が、処分場誘致を推進する3人から800万円を提供されていた問題で、森田氏側が別の1人からも200万円を受け取っていたことがわかった。森田氏が20日、鹿児島市内で記者会見を開いて明らかにした。
核ごみ処分場誘致派、南大隅町長側に800万円 選挙前
居酒屋個室で札束を渡した処分場誘致派「選挙費だった」
森田氏によると、初当選した2009年4月の町長選の直前、この4人から2回に分け、計1千万円を受け取っていたという。
現金を提供した4人のうち3人は朝日新聞の取材に「選挙費用の要請があったので貸した」としている。この点について森田氏は「個人の借り入れだった。事業をしていて短期的にお金が必要だった」と説明。ただ、利息は払っておらず、資産等報告書にも借り入れの記載はなかった。報告書について森田氏は「不備があれば訂正を整理したい」とした。
また森田氏は09年5月、4人のうちの1人に処分場誘致に向けた関係先との折衝などを一任する委任状を書いていた。現金提供と委任状の関係について森田氏は会見で「関係はない」と主張。処分場誘致については「反対を全うしたい」と語った。(野崎智也、大崎浩義)