模型と思っていた教室の頭蓋骨(ずがいこつ)が、実は身元不明の本物の人骨だった。そんな報告が各地の学校で相次いでいる。なぜ、学校に本物があるのか。
高校生物室の頭蓋骨、実は本物 50年前に死亡の女性か
デッサン用の頭蓋骨、また「本物」 気づかず20年利用
「高校の美術室で頭蓋骨のみ発見/30歳から40歳の女性と推定/心当たりのある方は○○課まで」
鹿児島市役所で今月5日に公開された官報に、こんな文章が載った。見つかったのは市内の鹿児島県立甲南高校。20年以上前から美術の授業でデッサンのモチーフにしてきた頭蓋骨だった。全体的に黄ばんでおり、教頭は「レプリカか、猿の骨だと思っていた」。
鹿児島市内では6月にも、県立鶴丸高校の生物講義室の標本棚から見つかった頭蓋骨が、死後約50年の女性のものだったことがわかり、話題になっていた。報道を見た甲南高校の美術の担当教諭が、「うちの頭蓋骨も人骨ではないか」と教頭に相談し、県警の鑑定によって人骨と判明したという。
県教委が今月、県立高校59校に調査を求めると、さらに1校で見つかった。大分県でも県立の中学高校と特別支援学校を調べたところ、3校で見つかった。うち1校では木箱に「昭和10年代に寄贈」と書かれていた。福井県の調査では県内3高校の生物室で見つかった。うち1校では「明治時代からあった」と言い伝えられてきたという。
いずれも入手経路はわからない…