多くの官公庁で28日、仕事納めを迎えた。公文書改ざんなどに揺れた省庁で閣僚らが一年を振り返った。上野動物園のシャンシャンも、今年は見納めだ。厳しい冷え込みとともに訪れる、平成最後の年の暮れ。
森友学園の公文書改ざん問題や事務次官のセクハラ問題と、不祥事が相次いだ財務省。続投に批判も出た麻生太郎財務相はこの日の会見で、1年の総括を問われたが、「前半は森友学園、朝日新聞が好きな話題だった」などと述べただけで、来年10月の消費増税に備えた対策づくりに注力したことを強調。「来年の予算編成に関連し、前回起きた反動減が起きないようにするのに、みんな知恵をつかった」と述べた。
「隊員の安全を優先して情報は出さなくていいという意識があったが、変えなければいけない」。防衛省の幹部職員は明かす。
「ない」と明言していた陸上自衛隊イラク派遣時の日報を、一転して「あった」と防衛省が認めたのが今年4月。前年に発覚した南スーダン日報の隠蔽(いんぺい)問題に続き、情報公開に後ろ向きな体質が浮かび上がった。日報の保存期間を「用済み後廃棄」から10年に延ばし、担当課での保管から全庁的な一元管理に切り替えるなど対策を進めている。
「働き方改革」が広がり、仕事納め式をやめる自治体も目立つ。
千葉市は今年から仕事納め式を取りやめた。職員に連続休暇をとってもらうのが狙いだ。代わりに、1年を振り返る市長メッセージを27日に全職員にメールした。来年1月4日の仕事始め式は実施するが、出席の強制はしていないという。秘書課は「取りやめは昨年あたりから検討してきた。リフレッシュする時間にあててほしい」と話す。
東京都文京区や長野県なども今年から同様に呼びかけている。