多くの官公庁や企業が28日、仕事納めを迎えた。地震や豪雨など多くの災害に襲われた平成最後の年の暮れ、被災地では来年の安寧を祈った。
「不安なまま、年の瀬を迎えるとは思いもしなかった」。6月の大阪北部地震で被災した大阪府茨木市の菅原千秋さん(75)宅は、屋根が今もブルーシートに覆われたままだ。この地震では大阪、京都、奈良、兵庫の4府県で5万8千棟超の住宅が被害に遭った。菅原さんは「新年こそ、安心して暮らせるように。そう切に願っています」。
震源地に近い大阪府高槻市はもっとも多い約2万2千棟が被災し、小学4年の女児がブロック塀の倒壊で亡くなる事故も起きた。
浜田剛史市長(54)はこの日午後の仕事納め式で課長級以上の管理職約170人に訓示し、災害に強いまちづくりに取り組む決意を語る。災害対応にあたる市総合戦略部の上田昌彦部長(60)は「来年こそは、穏やかな1年であってほしいと願うばかりです」と話した。
7月の西日本豪雨で112人が犠牲になった広島県。県の担当者は仕事納めの28日も被災企業の相談に応じていた。復興支援チームの海田智浩担当課長は「窓口には今でも1日に数十人が訪れることもある。来年も気を引き締めて業務にあたりたい」。
同県呉市にある広島市信用組合…