全日空(ANA)は3日、子会社ANAウイングス所属の40代男性機長から、乗務前の呼気検査でアルコールが検出されたと発表した。この影響で、機長が乗務予定だった同日午前7時10分大阪(伊丹)発宮崎行きなど計5便(乗客計677人)に遅れが出た。
ANAによると、機長は2日午後7時ごろまでに、ハイボール缶(350ミリリットル)2本を飲んだと説明。同乗予定の副操縦士も一緒だった。申告があった飲酒量や飲酒を終えた時間は、乗務前12時間までという社内規定に抵触していないとしている。
だが、3日午前6時ごろの簡易型検知器を使った乗務前検査でアルコールの反応が出た。同種の機器で約10回再検査をしたが、反応は収まらなかったという。副操縦士の呼気からは反応が出ず、予定通り乗務した。
ANAウイングスをめぐっては昨年10月、機長が乗務前夜に泥酔して体調不良になり、予定していた乗務ができず5便が遅れた。ANAによると、グループ全体の運航乗務員約3千人に対し、アルコールの体内分解能力を把握させるために呼気検査器の貸与を進めているが、この機長にはまだ渡っていなかったという。